茶花の楽しみ方

第5号【2006年 秋】

床の間の花を拝見する場合、
千利休は「息をひそめて見よ」と教えています。

青竹の清きを切り
清き水を張り
清き心をもって
清き花を活ける

この「四清同(しせいどう)」を茶花のこころと表現しています。
季節の枝葉ものを添えた自然の趣を花入れに入れるのが茶花の特徴です。茶花には、流儀や決められた花はありませんが、トゲのある花や香りの強い花などは避けています。
四季折々の花選びには、まだ硬いつぼみや、散る寸前の満開の花は「陰」として避け、咲きかけの花を「陽」として用います。季節の花の美しさを、選び抜いた花入れに入れる茶花では、花と花入れの取り合わせが周囲と調和しているかが、大切な心得とされております。

◎花入れには、金属・磁器・陶器・竹・かご(夏期のみ)・ひょうたん・漆器などの種類があり、「床に置く・掛ける・吊るす」とそれぞれを「真・行・草」と使い分けます。

真= 古銅、唐銅、青磁、染付、彩磁、白磁、祥瑞
行= 砂張、磁器の釣花入、釉(くすり)がかりのある国焼、銅器を模した楽焼
草= 南蛮、無釉陶、楽焼、竹、籠、ひょうたん、木工器、貝、その他